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【書評】今週末、山に登りたくなる「山女日記」

どこがゴールかなんてわからない。何がゴールかなんてわからない。

様々な思いや悩みを抱える女性達が、登山を通して成長し、人生を踏み出していく。

頑張って山を登った人だけが見られる山々の風景。それぞれの女性達が抱える悩みや葛藤が、登山を通して解かれていきます。

今週末、自分の足で山を登りたくなるような。そんな背中を押してくれる一冊です。

本・著者の紹介

書籍名山女日記
著者名湊かなえ
出版社幻冬舎文庫
出版年平成28年
ジャンル小説
ページ数381

読んだ後にイヤ~な気分になる「イヤミス」の女王とも言われる湊かなえさんの作品です。

湊かなえさんと言えば、松たか子さんの怪演も話題を集めた、映画「告白」の原作をはじめ、ポイズンドーター・ホーリーマザーやリバースなど、イヤミスで映像化された作品も多いヒットメーカー。

しかし、本作は湊かなえさんの持ち味(?)ともいえるイヤミスのテイストはまったく感じられず、山の爽やかさと、山に挑む女性たちの人生が描かれています。

2021年には、続巻となる「残照の頂 続・山女日記」が発売。また、山女日記もNHKプレミアムドラマで映像化されていますので、原作とドラマを比べてみるのも良いでしょう。

なぜこの本を選んだのか

僕の妻が湊かなえさんのファンで、おすすめされて読んだのがきっかけです。当時、夫婦で山登りを始めていたこともあり、タイトルにも惹かれて読み進めました。

それまで、僕の中でも湊かなえさんというとイヤミスのイメージが強く、あまり通ってこなかったのですが、本作をきっかけにハマってしまいました。

本作をきっかけに登山にもハマりましたが、最近はあまり行けてないので、このブログを書いたのをきっかけにまた出かけたいなと思っています。

印象に残った一節

「なるほど。でも、目的地は過去の中にあるのかもしれません」

主人公は過去を振り切れずに、バブルを引きずっている女性。

このままではいけないと一念発起し、参加したお見合いパーティーで出会った男性も、ブランドものに身を固めた主人公をまるでセレブのように扱ってきます。

役場の山岳同好会に入っているお見合い相手から、初めてのプレゼントされたのはダナーの登山靴。せっかくだから、次のデートは山に登ろうということになりますが、男性は、主人公のイメージに合わせたのか、高級チョコレートやこだわりのコーヒーなどを準備してもてなしてくれます。

しかし、実は主人公は大学時代に山岳部で活動していた生粋の山女。それを知ってかしらずか男性が発言した「目的地は過去の中にあるのかもしれない」という言葉が印象に残っています。

感想

本作は、登山をする女性を主人公にした物語の短編集です。

どの話でも、何かしらの悩みを抱えた女性、例えば、結婚に対する不安や、他人に足を引っ張られている感覚、姉に対するコンプレックス、離婚問題など。

また、それぞれのエピソードの登場人物が、別の話で繋がってくる点も面白いと思いました。例えば、妹にとってはコンプレックスの対象だった、完璧過ぎるようにも感じられた姉が、別の話ではこんなはずじゃなかったという悩みを抱えている。

そして、そんな登場人物たちが、山に登ることを通して、悩みを解消したり折り合いをつけたりしていく姿に、背中を押される気がしたのです。

また、山に誘ってくれるような物語だった

初めて本作を読んだのは10年近く前だったので、今回書評を書くために再度読み返しています。

読み進めるごとに、ああ、そうだったそうだったと思うとともに、ふつふつと湧き上がってくる「山に登りたいな」という感覚。

だんだん涼しくなって、山登りもしやすい季節になってきたし、家族で山登りを計画してみようと思っています。

山頂の景色を見て、どんなことを感じるのだろうと思いながら。

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