ホワイトペーパーとは「白書」のことで……と説明されても「で、何から始めたらいいのよ?」と思ったライターさん。
この記事では、実際に筆者がホワイトペーパーの制作を依頼された際に、筆者がリサーチ・実践した内容をベースに、基本的な作成の流れや目的、構成や種類、注意点までまとめています。
「クライアントに何を聞けばいい?」「構成はどうやって決める?」「資料っぽくて難しそう……」そんな悩みを解消できるように、わかりやすく整理しました。
ホワイトペーパーとは何か?ざっくり理解しよう
ホワイトペーパーは、企業が見込み客に向けて提供する資料を指します。
特にBtoBマーケティングの現場において、課題解決型のコンテンツとして広く利用されており、自社の専門性や信頼性をアピールするツールでもあります。あくまでも、自社サービスや製品の売り込みではなく、「課題の解決策を提示するための情報提供ツール」です。
BtoB(IT・金融・人材など)で特に多く使われていて、「資料ダウンロード」や「お役立ちガイド」といった形で提供されていることが多いです。
ホワイトペーパーを作る目的(=ライターとして意識すべきこと)
- 見込み客の獲得につなげる(営業リードのきっかけ)
- 専門性や信頼感を伝える(企業ブランドの土台)
- 継続的なフォロー(リードナーチャリング)の第一歩
つまり「何のために作るか?」を最初に確認しておくことが、構成やトーンを決めるカギになります。
ホワイトペーパー作成の流れ
ライターがホワイトペーパーを制作する際は、いきなり書き始めるのではなく、事前の準備や設計がとても大切です。ここでは、筆者が実際に意識した基本の6ステップを紹介します。
- 目的を確認する
- ペルソナ設定
- テーマ・タイトル決定
- 構成案の作成
- 原稿執筆&デザイン連携
- 配布方法の確認
ひとつずつ順番に解説していきますね。
1. 目的を確認する
まずは依頼主に「なぜこのホワイトペーパーを作るのか?」をしっかりヒアリングしましょう。目的によって内容の深さやトーンも変わってきます。
- 新規リードを獲得したいのか?
- サービス理解を深めたいのか?
- 特定業界にアピールしたいのか?
ここを曖昧にしたまま書き始めると、ぼんやりした内容になってしまうので注意です。
2. ペルソナ設定
誰に向けて書くのかを明確にします。
- 業界(例:製造業、人事部門、医療業界など)
- 役職や担当者レベル(現場担当者、管理職、経営層)
- 抱えている悩みや課題
ここをしっかり押さえておくと、言葉の選び方や図解の内容にも説得力が出ます。
3. テーマ・タイトル決定
検索に強く、かつ読者の興味を引くタイトルを考えましょう。
- 「〇〇業界のよくある課題と解決策」
- 「はじめての〇〇入門ガイド」
- 「成功企業の導入事例集」
テーマは依頼主の商品・サービスと読者の接点が生まれるものを。
4. 構成案の作成
いきなり本文を書かずに、構成を立てるのが鉄則。
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- What(具体的に何を)
この3つをベースにストーリーを組み立てると、説得力のある内容になります。
5. 原稿執筆&デザイン連携
実際に原稿を書き始める段階です。
- 冒頭で課題を明確にする
- 図やグラフがあると読者理解が進む
- CTA(資料請求や相談など)を自然に入れる
また、デザイナーが入る場合は図表の指示やページ構成も共有しておくとスムーズです。
6. 配布方法の確認
納品して終わりではなく、「どう読まれるか」までが重要です。
- PDFでダウンロードされるのか?
- LPに掲載されるのか?
- メルマガや広告で配信されるのか?
掲載媒体やターゲット導線に合わせて、トーンや構成を微調整する必要があります。
ホワイトペーパーの構成テンプレート(とりあえずこれでOK)
- 表紙(タイトル、副題、ロゴ)
- 目的(なぜこの資料を作ったか)
- 目次(全体像)
- 本文:
- 課題の提示
- 背景・原因の分析
- 解決策の提示
- 自社ソリューションの紹介
- まとめ・行動喚起(資料請求・相談など)
- 会社情報・問い合わせ先
このテンプレートは、ホワイトペーパー初心者のライターにとっても扱いやすく、読者の理解を自然な流れで深められる構成になっています。
「課題 → 解決策 → ソリューション」という流れは、読者に“納得のストーリー”を感じさせる鉄板の順序。さらに、冒頭に目的を示し、最後に行動喚起を入れることで、単なる読み物ではなく「次のアクションにつながる資料」として機能します。
まずはこの基本形を押さえておけば、ほとんどの案件に対応できるはずです。
書くときに気をつけたいポイント
ホワイトペーパーは、書き方ひとつで「読まれる資料」にも「途中で閉じられる資料」にもなります。ここでは、ライターとして意識しておきたい基本のポイントを5つ紹介します。
- Why→How→Whatの流れで「納得感」を持たせる
- 専門用語は控えめに(読者は知識ゼロの場合も)
- 「売り込まない」のがホワイトペーパーの鉄則
- ダウンロードしたくなるタイトルと構成を
- 適度な長さ(5〜10ページ程度)を意識
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
Why→How→Whatの流れで「納得感」を持たせる
ホワイトペーパーは“読者の納得”を得ることがゴールのひとつです。ただ情報を並べるだけでなく、「なぜこのテーマが重要か(Why)」「どう解決できるのか(How)」「具体的に何を提案するのか(What)」の順に構成することで、論理的で伝わりやすい内容になります。
専門用語は控えめに(読者は知識ゼロの場合も)
読み手は業界知識のある人とは限りません。特にマーケティングやIT系の用語は、必要に応じて補足を入れるか、やさしい表現に置き換えるのが親切です。「わかりやすさ」こそがホワイトペーパーの命。
「売り込まない」のがホワイトペーパーの鉄則
読者は“商品説明”を読みに来ているわけではありません。まずは課題や悩みに共感し、「この会社、わかってるな」と思ってもらうことが第一歩。営業色が強すぎると、途中で読むのをやめられてしまうことも。
ダウンロードしたくなるタイトルと構成を
ホワイトペーパーの入り口は「タイトル」です。検索されやすいキーワードを含めつつ、読者の関心を引く言葉を選びましょう。また構成も「見やすさ」「読みやすさ」が重要。見出しや箇条書き、図解を上手く使うと好印象です。
適度な長さ(5〜10ページ程度)を意識
長すぎても、短すぎてもNG。伝えるべきことを無理なく詰め込めるのが、5〜10ページ程度のボリュームです。読者の集中力を考えて、情報の取捨選択を意識しましょう。
ホワイトペーパーにもいろんな種類がある
- 課題解決型:問題と解決策を軸に構成
- 製品紹介型:使い方や導入ステップを解説
- 事例紹介型(ケーススタディ):成功例をもとに信頼感を構築
- 業界レポート型:データや動向をまとめて信頼性を強化
- テンプレート・ノウハウ提供型:読者が「使える」資料
読者の検討段階(認知〜比較〜購入)に応じて、どの型が適しているかを選ぶこともポイントです。
ホワイトペーパーと営業資料の違い(地味に大事)
種類 | 内容 | 対象読者 |
---|---|---|
ホワイトペーパー | 課題に対する解決策を提示 | 潜在顧客 |
営業資料(サービス資料) | 製品・サービスの詳細を紹介 | 顕在顧客 |
営業資料は「比較・検討している人向け」、ホワイトペーパーは「そもそも課題に気づいていない人向け」だからこそ、読み手の理解度に応じたトーンの調整が欠かせません。
まとめ:ライターとしてまず押さえておきたいのは…
- 「何のために」「誰のために」作るかを確認
- ストーリー構成は「Why→How→What」が基本
- 売り込みすぎず、役立つ情報提供を意識
- 過去の事例やテンプレートを集めて参考にする
依頼されたときに右往左往しないために、まずはこの流れと考え方を頭に入れておくと安心。あなたのホワイトペーパー初仕事、応援してます!