読書好きのあなたは、気に入った一冊に出会ったとき「誰かにこの感動を伝えたい」と思ったことはありませんか?
そんな想いから始める人が多いのが書評ブログです。
文章に自信がなくても大丈夫。本を読むことが好きなら、書く内容はすでにあなたの中にあります。
筆者も、ガチの読書家というほどではありませんが、月に3〜5冊ほどのペースで本を読んでいます。僕自身も本の感想を誰かと共有したくて、実際に書評ブログを始めてみました。
この記事では、
- 書評ブログの始め方
- 初心者向けの書き方テンプレート
- 収益化の仕組み(アフィリエイト・寄稿など)
- 著作権の注意点
といった内容を、丁寧に解説していきます。

書評ブログとは?書評ブログを書くメリット5つ
書評ブログとは、読んだ本の感想や学び、心に残った一節などを、自分の言葉で記録・発信するブログのこと。
自分の読書メモとして使う人もいれば、他の読者へのおすすめレビューとして書く人もいます。ジャンルに決まりはなく、小説やビジネス書・エッセイ・新書など、自分が読んだ本ならなんでもOK。
ブログとして公開すれば、読書の記録として残せるだけでなく、同じ本が好きな仲間とつながるきっかけにもなります。
また、Amazonや楽天などのアフィリエイトリンクを貼れば、書評ブログから収益を得ることも可能です!

書評ブログは、自身の受けた感想や、とくに共感した部分を書き留めておく読書メモにもなります。また、読書の楽しみを深めるだけでなく、自己成長や人とのつながり、そして副収入につながる可能性がある点もメリットです。
初心者ライターやブロガーにとっては、文章を書く練習になる点もうれしいですね。
- 読書メモとして活用できる
- 感想を言語化して整理できる
- 学びの定着・思考の整理に役立つ
- 本好きの仲間ができる
- 文章力アップ+副業の足がかりに
ここでは、書評ブログを書くことによる具体的なメリットを解説します。
1.読書メモとして活用できる
読んだ本に感想や気づきを添えて記録しておくことで、自分だけの読書メモを作ることができます。電子書籍派の人は物理的なコレクションを増やすことはできませんが、書評ブログを積み上げておくことによって自分だけの本棚を作ることができます。
ブログを見返した時に、過去の自分がどんな本を好きで、どのような点に心を動かされたのかを思い返すことができるのは財産になりますね。
2.感想を言語化して整理できる
その本を読んだことで、自身の受けた感想を言語化して整理できる点も書評ブログのメリットです。
同じ作品を読んだ際にも、自分の年齢やライフステージの変化によって受ける印象が変わるケースは少なくありません。
どのような点に心を動かされたのかを書き留めておけば、後から見返したときに「あの時の自分はこういう感想を持っていたのか」と、自分自身の変化に気づくきっかけにもなります。
3.学びの定着・思考の整理に役立つ
ビジネス書や実用書は、まとめや要約をアウトプットすることで理解が深まります。積み重ねれば知識の資産にもなります。
ビジネス書や実用書の書評ブログが積みあがれば、それだけ自分の勉強の記録ともなります。
4.本好きの仲間ができる
ブログとして記事を公開することで、本好きの仲間とつながることができる点もメリットです。
書評ブログを読んでくれる読者の多くは、書評ブログの対象となる書籍のタイトルで検索してブログにアクセスしてくれるユーザーです。そのため、自分が読んだ本に同じように興味を持っている方が書評ブログを読んでくれる可能性が高くなります。
SNSなどで書評ブログを書いたことを発信しておけば、同じ本を好きな人と感想を言い合える場所を作れるかもしれませんね。
5.文章力アップ+副業の足がかりに
書評ブログを書く際には、自身の感想やどのような点にどう共感したかを文章化する必要があるため、文章を書く練習になります。
将来的にライター案件やアフィリエイト収益につなげたい方にとっては、書評ブログが立派なポートフォリオにもなります。
また、どのような感想を持ったかをしっかり言語化することで、語彙力の引き出しも増えていきます。普段の会話なら「ヤバい!」「エモい!」でも十分ですが、書評ブログでは“なぜそう感じたのか”を言葉にして伝える力が求められます。
初心者でも迷わない!書き方テンプレートと注意点

書評ブログに決まった型があるわけではありませんが、ある程度、これを入れておくと読者が読みやすい基本の構成はあります。
初心者でも迷わず書き出せるよう、以下のテンプレートを参考にしてみてください。
- 本、著者のかんたんな紹介
- なぜこの本を選んだのか
- ユニークな一節の引用
- 自分の感想
さらに、書き出しとなるリード文と、まとめ文章を記載すれば、ブログ記事としての体裁が整います。ここでは、それぞれの項目にどのような内容を書いていくかを解説します。
実際に書いてみるときは、読んだ直後の感想をメモしておくとスムーズです。また、引用はルールを守りながら、必ず主従関係が明確になるように書きましょう。
本、著者のかんたんな紹介
まずは、書評を書く本や著者をかんたんに紹介します。読んだ本の情報を整理してまとめておくことで、読者が書評で紹介されている本に興味を持ってくれた際に探しやすくなりますので、ユーザビリティが向上します。
基本的には、次のような情報をまとめておくようにしましょう。
- 書籍名
- 著者名
- 出版社
- 出版年
- ジャンル
- ページ数
- あらすじ
たとえば、著者に直木賞などの受賞歴のある場合、受賞歴を記載しておくのもよいでしょう。
本、著者を紹介する際には、誤字は厳禁です。本のタイトルや著者名に限らず、名詞を間違わずに記載するためには出版社のサイトなどの公式の情報からコピー&ペーストするのが確実です。
なぜこの本を選んだのか
なぜ、その本を読もうと思ったのか、選んだ理由を書いておくことで、すでに同じ本を読んだ読者から共感を得られる可能性があります。たとえば、ドラマや映画を観て、原作の小説を読んでみたくなったから、また、SNSで話題になっていたから、などさまざまな理由があるでしょう。
筆者は、宮島 未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」を読みましたが、こちらは、表紙のイラストが好み過ぎて思わず購入した「ジャケ買い」です。
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ユニークな一節の引用
本のあらすじやストーリーを解説するだけではなく、自身の心に残った一節を引用して紹介してあげることで、これからその本を読んでみようかと考える方の参考になります。
たとえば、辞書を編纂する編集者たちの奮闘を描いた、三浦しをんさんの「舟を編む」には、辞書編集者ならではの言葉に関する解釈がユニークです。
ベテラン編集者が、自社の別部署を訪ねた際、客ではないと言っているにも関わらず「お客さまです」と言われたことに不満を持つシーンでは、次のように編集者の心情が描かれています。
少し腹が立ったが、「『よそから来たひと』というニュアンスはまったく含まれず、純粋に『訪問者』の意で使われた『客』かもしれない」と思うことで、荒木は自分を納得させた。
三浦しをん 舟を編む 光文社文庫
単語のさまざまな意味を解釈する表現は、筆者自身がライターであることもあり、非常に面白かった点です。
「舟を編む」は映像化もされており、筆者もアニメ版を観たことがありますが、言葉の表現だけを取ると、やはり活字で読める小説版の方が読み取りやすい部分があるかと感じました。もちろん、アニメ版も信頼感の高い「ノイタミナ枠」であることもあり、クオリティの高い作品です!
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本を読んでの自分の感想
最後に、その本を読んでの自分の感想を文章にまとめます。書評ブログにおけるメインの部分となりますので、しっかりと気合を入れて書くようにしましょう。
しかし、基本的には、小学校、中学校の時に書いた読書感想文のようなものと考えて大きな間違いはありません。自身の受けた感想を伝えることを大切に、気楽に書いていきましょう。
小説・ビジネス書・新書|ジャンル別の書き方のコツ
書評ブログでは、どんなジャンルの本を扱ってもOKですが、ジャンルによって読者が知りたいことや響くポイントが少しずつ違います。
ここでは、小説・ビジネス書・新書の3ジャンルに分けて、それぞれの書き方のコツを紹介します。
小説の書評を書くときのコツ|感情の動きに焦点を当てる
小説の書評では、物語のネタバレを避けつつ、自分自身がどんな感情を抱いたか、また、どんなシーンが心に残ったかを中心に書くのがおすすめです。
- あらすじは簡潔に(1〜2文でOK)
- 感動したセリフや場面を引用(出典を明記する)
- 読み終わった後の余韻や自分の考えを書く
特に小説は好みが分かれやすいため、「こんな人におすすめ」という視点を加えると、読者の参考になります。
ビジネス書の書評を書くときのコツ|学びの要点を伝える
ビジネス書は、読んで得られる知識や実生活への活用法を求めて読む人が多いジャンルです。
そのため、自分が読んだ気づきや、本を読んだ後に変わったことを中心にまとめると共感されやすくなります。
- 重要なフレーズや図解部分を要約
- 自分の仕事や生活にどう活かせそうかを書く
- 他の本との違いや補完になる点を紹介する
本を読んで実際に行動に移したことがあれば、その結果もぜひ添えてみましょう。
新書の書評を書くときのコツ|難しいテーマをかみ砕いて書く
新書は、専門的なテーマや時事的な課題を扱うことが多く、読者の中には「興味はあるけど難しそう…」と感じている人も少なくありません。
そんな読者のために、難しい用語や主張を、自分の言葉でやさしく説明する姿勢が大切です。
- 自分が「なるほど」と思った点を中心に書く
- 著者の主張をまとめたあと、自分の考えも一言添える
- 難解な部分は「難しかったけどこう理解した」と正直に書いてもOK
新書の書評は、本の内容を自分がどう受け取ったかが大切な視点になります。
書評ブログの収益化はできる?アフィリエイトとnote活用術
書評ブログで収益化を目指したい!そうした視点で書評ブログを始めようと考えている人も多いでしょう。
書評ブログは上手に仕組みを整えることで、アフィリエイト収益や寄稿報酬など、少しずつ収益につなげることができます。
ただし、まずは読みやすく信頼されるブログづくりが重要。収益化はあくまで結果であり、その前に読者に喜ばれる記事を書くことが大切です!
アフィリエイト広告を活用する
Amazonや楽天、hontoなどの書籍系アフィリエイトを使えば、ブログで紹介した本が購入されたときに紹介料を得ることができます。
特にAmazonアソシエイトや楽天アフィリエイトは登録も簡単で、初心者でも始めやすい仕組みです。
- 書籍紹介リンクを貼る
- 読んだ感想+おすすめ理由を丁寧に書く
- 「この本はこんな人におすすめ」と明記する
こうした工夫をすることで、自然な流れで収益にもつながりやすくなります。

寄稿型の報酬も狙える「ブックレコメンド」
書評サイト「ブックレコメンド」では、書評の寄稿者を募集しています。
選ばれた書評はサイトに掲載され、いいね数に応じた報酬を受け取れる仕組みです。また、自分の書評がメディアに紹介されることで、ライターとしての実績作りにもつながります。
noteやブログ経由の直接収益も
自分のブログやnoteに有料コンテンツを用意して、本に関する深掘り記事や、おすすめ本まとめなどのコンテンツを販売するのも収益化の一手です。
X(旧Twitter)などのSNSと連携して読書記録×文章力の発信を続けていけば、企業案件や寄稿依頼が届くことがあるかも!
著作権の基本ルール|引用の注意点まとめ
「書評ブログって、著作権に引っかからないの?」
そんな不安を持つ方も多いのではないでしょうか。
たしかに、小説やエッセイなどの書籍はすべて著作権で保護された創作物です。他者の創作物を元にしてブログを書く書評ブログの著作権は気になりますね。
ただし、結論としては、無断転載や過度なネタバレには注意が必要ですが、ルールを守れば、ブログで本の内容にふれても問題ありません。
引用ルールを守ればOK
書籍からの一節を引用する場合は、著作権法で定められた引用のルールを守ることが前提です。
- かぎカッコなどで引用部分を明確に区別する
- 本文(自分の意見)と引用部分の主従関係を守る
- 出典(書名・著者名など)を明記する
- 引用は必要最小限にとどめる(長すぎる引用はNG)
文化庁 著作権テキスト 令和6年度版 13.著作者の権利の制限(許諾を得ずに利用できる場合) 【「引用」】(第32条第1項)
引用元を明記したからといって、あまりにも広い範囲を転載するのは著作権侵害に該当する可能性があります。あくまでも、一節を引用するに留めて、記事の主な部分は自身の感想や意見で占めるようにしましょう。
過去の事例で見るリスク
たとえば、YouTubeにアップされたファスト映画や、漫画のネタバレサイトが著作権侵害で摘発されたケースもあります。
これは作品の本質的な内容をそのまま提供してしまったことが問題とされた例で、作品の価値を損なうような使い方はNGという判断です。
書評ブログではどう気をつける?
- 引用は一節程度にとどめる(1〜2行目安)
- 本の要約ではなく、自分が感じたことや考えたことを中心に書く
- 読者の読む楽しみを奪うようなネタバレは避ける
あくまでも引用はアクセントで、感想がメイン。そんな意識で書いていけば、安心して情報を発信できますよ。
書評ブログが読まれない理由と改善のヒント
書評ブログを始めたけれど、まったくアクセスが来ない。これは誰もが通る道です。
ブログが読まれないのは、才能の問題ではなくちょっとした工夫の不足です。たとえば、読者目線でタイトルをつけ、読みやすく整理し、伝えたい想いを自分の言葉で届けていく。
それだけで、少しずつでも確実に読まれるブログに近づいていきますよ。
ここでは、初心者がつまずきやすい原因と、読まれるブログに育てていくための改善ポイントをご紹介します。
原因① タイトルでスルーされている
どんなに内容が良くても、タイトルでクリックされなければ読まれません。特にGoogleなどの検索結果では、タイトルとメタディスクリプションで勝負が決まります。
たとえば、「○○|読み終えた後に涙が止まらなかった理由」など、タイトルに書籍名+一言感想を入れる、就活生に読んでほしい」「子育てに悩む人に響く」など、誰に向けたレビューかを明確にすることで、クリック率を向上させることができます。
原因② 読みにくい(構成・文章)
改行が少なかったり、ダラダラと長文になっていたりすると、せっかく来てくれた読者も離脱してしまいます。
書評ブログ全体で記事のフォーマットを定めておくと、ブログに統一感が出て読みやすくなります。ガチガチに縛る必要はありませんが、構成を統一する、サムネイルの画像のレイアウトを統一するなど、工夫してみましょう。
自分の感想も、あまりだらだらと長くなり過ぎないように伝えたいメッセージを絞るのがポイントです。ブログを書きながら本を見返していると時間がかかってしまいますので、自分の心に残った点を、読みながらメモを取る癖をつけるのものもよいでしょう。
原因③作品を批判している

書評ブログを書く際に、やってしまいがちな失敗が本の内容を批判してしまうことです。書評とは、本を批評することですので、よい点、悪い点を指摘することは間違いではありません。しかし、あまりにも本の内容の批判ばかりの内容だと、その本が好きで検索してブログにたどり着いてくれた方に不快な思いをさせてしまうだけです。
書評ブログは、もし著者の目に触れた時にも喜んでくれるような書き方を心がけましょう。ただしべた褒めだとサクラやアフィリエイトブログっぽくなり過ぎてしまいます。この本を読んで良かったから、あなたにも読んで欲しいという気持ちを意識するようにしましょう。
書評ブログは難しくない!書評ブログを始めてみよう
書評ブログは、基本の構成に沿って書けば初心者でも難しくありません。とくに、初心者ライターやブロガーにとっては、文章を書く練習にもなりますので、ポートフォリオ代わりに書評ブログを始めてみるのはおすすめです。
また、読書好きの方にとっては、読んだ本の数がそのままネタの数になりますので、ブログのネタ探しに悩んでいる方にも最適な題材といってよいでしょう。
僕自身も、実際に書評ブログを運営しています。読書好きなあなたも、一緒に始めてみませんか?